麋角解(さわしかのつの おつる)
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地球に優しい環境対応印刷を推進する久栄社では、環境問題に取り組む必要性や、自然の尊さをお伝えしたいと考えております。このブログでは、四季折々の風情ある写真にのせて、古代中国で考案された季節の区分である七十二候をお届けする「七十二候だより」を連載しております。お忙しい日々の気分転換に、気象の動きや動植物の変化など、季節の移ろいを身近に感じていただけましたら幸いです。
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2018年 12月 27日
12月27日は、七十二候は65候、大雪の次候、『麋角解(さわしかのつの おつる)』の始期です。 大鹿(おおじか)の角が頭から抜け落ちる頃。 「麋角(びかく)」とは、大鹿の雄が持つ角のことで、一年に一度生え変わり、春に生え始めて枝分かれして大きくなった角は冬には抜け落ちます。 「麋(さわしか・び)」とは、大型の鹿のことであり、「なれしか」とも読まれ、ヘラジカやトナカイの仲間を指しています。 一説には、麋は、古くは「四不像(しふぞう)」と呼ばれる独特の種を指しているとする見方もあります。 ヘラジカやトナカイの仲間は、北方の森林地帯に広く棲む動物で、北欧からロシアまでのユーラシア大陸や北米地域に広く生息しており、特に東アジアではシベリアから中国東北部にかけてヘラジカが見られるようです。 四不像の方は、鹿のような角を持ち、牛のような蹄を持ち、馬のような顔をして、驢馬のような尾を持ちながら、その四つの動物とは異なることに、その名前が由来しております。 中国の北部から中央部にかけての沼沢地に棲んでいましたが、19世紀末には野生状態では絶滅し、20世紀には中国から姿を消してしまいます。 ヨーロッパ人の尽力により、欧州で生き残った数少ない個体から繁殖が進み、中国にも復帰しつつ、今では世界各国の動物園で見ることができます。 しかしながら、ヘラジカもトナカイも、四不像も、実はもともと日本には棲息していなかった動物です。 日本で見られる鹿は、日本固有のニホンジカであり、「麋鹿(びろく)」という言葉が大鹿と鹿を指すように、いずれも広い意味での鹿の仲間にはあたりますが、シカ属・ヘラジカ属・トナカイ属はそれぞれ別系統の動物なのです。 七十二候は、古代中国からの伝来によるものですが、日本では江戸時代、渋川春海ら暦学者によって日本の気候風土に合うように改訂され、『本朝七十二候』が作成され、現在の『略本暦』に至るわけですが、どうして65候は日本に棲息しない「麋」=大鹿のままとしたのか、謎と言われております。 本当のところは今となっては良くわかりませんが、一説には、日本では古来から「神鹿(しんろく)」という言葉があるように、奈良の春日大社をはじめ、神社で飼われている鹿は神の使いとして大事に扱われてきているので、鹿を尊んで敢えて残したという見方もあります。 しかし、日本の雄鹿の角が落ちるのは春先であり、「落し角」という言葉が晩春の季語になっているように、鹿で代替するわけにはいかない事情があり、中国に棲息していた「麋」をそのまま残したというふうに考えられます。 日本では見れないヘラジカなどの大鹿が、寒冷の地で本格的な冬を迎え、遠い春に向けて、その大きな角をぽろっと脱落する光景。 日本よりも寒さの厳しい大陸における大自然の雄大な情景に想いを馳せながら、日本の季節の移り変わりに重ねて取り入れた感覚は、日本に固執していないところが新鮮であり、また柔軟で広がりもあるようで、異色ながら興味をそそられて良いのではないかと感じます。 この時季、特に日本海側では、山は雪化粧し、平地にも寒風が吹いて、冬一色となりますが、各地の気温も朝晩にぐっと下がってきて、いよいよ「冬日」を迎えるという様相です。 気象庁によると、「猛暑日、真夏日、夏日、真冬日」については、最高気温で決まり、最高気温が35℃以上の日を猛暑日、30℃以上の日を真夏日、25℃以上の日を夏日、0℃未満の日を真冬日というのに対して、「冬日」だけは最低気温で決まるようで、最低気温が0℃未満の日を冬日といいます。 今年もいよいよ年の瀬が迫ってまいりました。一年に一度、惜しげもなく角を落す大鹿にあやかって、今年のことはしっかりと今年中に片を付けて、頭もすっきりして新たな気持ちで良い年を迎えられるようにしましょう。 地球に優しい環境対応印刷を推進する久栄社では、環境問題に取り組む必要性や、自然の尊さをお伝えしたいと考えております。このブログでは、四季折々の風情ある写真にのせて、古代中国で考案された季節の区分である七十二候をお届けする「七十二候だより」を連載しております。お忙しい日々の気分転換に、気象の動きや動植物の変化など、季節の移ろいを身近に感じていただけましたら幸いです。 \\\ ぜひこちらも合わせてご覧ください /// ▼運営会社久栄社のサイトはこちら ▼久栄社のFacebookはこちら ▼お問い合わせフォームはこちら
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| 2018-12-27 08:01
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