菖蒲華(あやめはなさく)
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地球に優しい環境対応印刷を推進する久栄社では、環境問題に取り組む必要性や、自然の尊さをお伝えしたいと考えております。このブログでは、四季折々の風情ある写真にのせて、古代中国で考案された季節の区分である七十二候をお届けする「七十二候だより」を連載しております。お忙しい日々の気分転換に、気象の動きや動植物の変化など、季節の移ろいを身近に感じていただけましたら幸いです。
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2019年 06月 27日
6月27日から、七十二候では29候、夏至の次候、『菖蒲華(あやめはなさく)』の始期です。 花菖蒲(はなしょうぶ)の洗練された花が美しく咲く頃。 花菖蒲は主に梅雨の時季に花を咲かせますが、優雅な色彩と容姿で、ひときわ華やかに咲く花菖蒲の凛とした佇まいは、梅雨時の沈みがちな空気を一変させて、明るく艶やかな風景を現出し、人の心にも静かに迫ってくる程の存在感があります。 「菖蒲(あやめ)」という表現になってはおりますが、ここでは花菖蒲のことを指しております。 アヤメ科の御三家として、アヤメ(菖蒲・文目)・ハナショウブ(花菖蒲)・カキツバタ(杜若)の三種がありますが、アヤメ科の花の中で、この時季に花を咲かせるのは、花菖蒲というのが決め手になります。三種の特徴と見分け方について、おさらいしましょう。 先ず、開花時期については、アヤメは5月上旬~中旬、カキツバタが5月中旬~下旬、ハナショウブは5月下旬~6月下旬という具合いです。 少しづつ重なりながら咲くので、5月の中下旬には「アヤメの遅咲き」「カキツバタの最盛期」「ハナショウブの極早咲き」が同時に見られ、まるで同じ種類の花が長い間咲いているように感じられることもあります。 比較的確実な見分け方としては、花びらの模様が挙げられます。アヤメは花弁の根元に大きな網目状の模様、これが「文目」の言われのようですが、それに対して、ハナショウブは花弁の根元に黄色い目形の模様、カキツバタは花弁の根元に白い細目形の模様があるのが一番の特徴です。 そして葉の形にも特徴があり、ハナショウブは葉の真ん中にくっきりと葉脈(筋)があり、アヤメは葉脈がなくて細長い葉、カキツバタは葉脈が目立たずに幅広い葉ということです。 生息場所についても、アヤメは陸上の乾燥地、ハナショウブは陸から水辺にかけての半乾湿地、カキツバタは水湿地と異なります。実際にはお互いに混ざり合うので、難しいところです。 背の高さとしては、アヤメは、30~60cmで一番低く、カキツバタが50~70cmで中間、ハナショウブは50~70cmと一番背が高いと言われており、花の大きさについては、アヤメが小輪、カキツバタが中輪、ハナショウブが大輪という感じです。 花菖蒲は、野生の「野花菖蒲」を原種として改良された国産の園芸植物であり、500年の歴史を持ち、江戸時代に品種の育成が進み、その数は2000種とも5000種とも言われております。 花の色は白・桃・紫・青・黄など多種多彩であり、花形も、3枚の弁が大きく目立つ三英咲き(さんえいざき)、6枚の弁が広がる六英咲き(ろくえいざき)、八重咲きなどがあります。 主な系統としては、変化に富んで多彩な「江戸系」、鉢植えで室内鑑賞向きに発展してきた「伊勢系」「肥後系」、原種の特徴を強く残している「長井古種」があります。 特に江戸では、江戸時代前期より大名屋敷などで花菖蒲の栽培が盛んになり、江戸中期には庶民の手にもわたり、様々な花色や花形の品種が育てられていきます。 ここで特筆されるのは、旗本の松平定朝の存在であり、84歳で亡くなるまで60年間にわたり花菖蒲の品種改良に携わり、300近い品種を作り出しました。 隠居後は、菖翁(しょうおう)と名乗り、名著「花菖培養録」を残しました。「宇宙(おおぞら)」など素晴らしい花菖蒲の傑作が現代に伝えられております。 菖翁が生み出した品種は、堀切の菖蒲園や肥後に伝わっていき、花菖蒲が全国に広がったと言われており、花菖蒲の中興の祖とも言われる所以です。 「花菖蒲」という呼び名は、葉が「菖蒲(ショウブ)」に似ていて、美しい花が咲くことに由来しております。 「菖蒲」は、端午の節句に菖蒲湯として葉を入れることで知られてますが、この菖蒲はサトイモ科の植物で、葉はアヤメ科の植物とよく似ているものの、花は咲くことは咲きますが、蒲(がま)の穂のような黄色い花で、全く別種です。また、アヤメ科の葉には香りはありません。 花菖蒲の栽培と鑑賞は、日本中に拡がり、北海道から九州まで各地の花菖蒲園では、5月から6月下旬にかけて、花菖蒲まつりなどが開かれます。 日本人の長年にわたる美意識や想いが反映され、独自に発展した花菖蒲は、古典園芸植物とも呼ばれ、日本の伝統園芸文化の代表と言えます。 多種多様な花菖蒲、その表情豊かで洗練された姿に出会った時、また趣や風情のある品種名に巡り合った時など、梅雨のさなかに、はっとするような美しさを感じると共に、伝統や文化に触れて、何か少し心が澄んでくるような素敵な時間を持ちたいものです。 地球に優しい環境対応印刷を推進する久栄社では、環境問題に取り組む必要性や、自然の尊さをお伝えしたいと考えております。このブログでは、四季折々の風情ある写真にのせて、古代中国で考案された季節の区分である七十二候をお届けする「七十二候だより」を連載しております。お忙しい日々の気分転換に、気象の動きや動植物の変化など、季節の移ろいを身近に感じていただけましたら幸いです。 \\\ ぜひこちらも合わせてご覧ください /// ▼運営会社久栄社のサイトはこちら ▼久栄社のFacebookはこちら ▼お問い合わせフォームはこちら
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| 2019-06-27 08:01
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