草露白(くさのつゆ しろし)
|
地球に優しい環境対応印刷を推進する久栄社では、環境問題に取り組む必要性や、自然の尊さをお伝えしたいと考えております。このブログでは、四季折々の風情ある写真にのせて、古代中国で考案された季節の区分である七十二候をお届けする「七十二候だより」を連載しております。お忙しい日々の気分転換に、気象の動きや動植物の変化など、季節の移ろいを身近に感じていただけましたら幸いです。
by 72microseasons カレンダー
カテゴリ
立春(りっしゅん) 雨水(うすい) 啓蟄(けいちつ) 春分(しゅんぶん) 清明(せいめい) 穀雨(こくう) 立夏(りっか) 小満(しょうまん) 芒種(ぼうしゅ) 夏至(げし) 小暑(しょうしょ) 大暑(たいしょ) 立秋(りっしゅう) 処暑(しょしょ) 白露(はくろ) 秋分(しゅうぶん) 寒露(かんろ) 霜降(そうこう) 立冬(りっとう) 小雪(しょうせつ) 大雪(たいせつ) 冬至(とうじ) 小寒(しょうかん) 大寒(だいかん) タグ
植物(144)
気候(105) 花(65) 鳥(54) 虫(43) 動物(24) 風(15) 稲(12) 梅(11) 雁(11) 麦(11) 魚(11) 果物(7) 虹(7) 霞(6) 桜(6) 霧(5) 雨(4) 蚕(4) 鹿(4) 記事ランキング
以前の記事
2024年 03月 2024年 02月 2024年 01月 2023年 12月 2023年 11月 2023年 10月 2023年 09月 2023年 08月 2023年 07月 2023年 06月 2023年 05月 2023年 04月 2023年 03月 2023年 02月 2023年 01月 2022年 12月 2022年 11月 2022年 10月 2022年 09月 2022年 08月 2022年 07月 2022年 06月 2022年 05月 2022年 04月 2022年 03月 2022年 02月 2022年 01月 2021年 12月 2021年 11月 2021年 10月 2021年 09月 2021年 08月 2021年 07月 2021年 06月 2021年 05月 2021年 04月 2021年 03月 2021年 02月 2021年 01月 2020年 12月 2020年 11月 2020年 10月 2020年 09月 2020年 08月 2020年 07月 2020年 06月 2020年 05月 2020年 04月 2020年 03月 2020年 02月 2020年 01月 2019年 12月 2019年 11月 2019年 10月 2019年 09月 2019年 08月 2019年 07月 2019年 06月 2019年 05月 2019年 04月 2019年 03月 2019年 02月 2019年 01月 2018年 12月 運営会社
検索
|
2019年 09月 08日
9月8日から、二十四節気は、白露(はくろ)へと移ります。 夜の間に大気が冷え込んで、草花や木に朝露が宿り、秋の気配が深まっていくのを感じ始めます。 江戸時代の『暦便覧』には、「陰気ようやく重なりて 露こごりて白色となれば也」と解説があります。 七十二候では43候、白露の初候、『草露白(くさのつゆ しろし)』の始期です。 草の葉に降りた露が白い粒のようにきらきらと光って見える頃。 本日からは仲秋の候となり、初秋・仲秋・晩秋の三秋の真ん中にあたる季節となります。 日中の暑さも和らぎはじめ、朝夕の涼しさの中に、時折は肌寒さも感じ始める頃合いです。 白露とは、白く光って見える露、「しらつゆ」のことであり、「草露白」は、朝方に冷気が増して、草の葉の上に露が結んで、白く煌めいて見えている状態を表してます。 露は、気温の変化が織りなす自然現象であり、湿った夏の空気の中の水蒸気が冷やされて、草や木の葉など水をはじく性質のある物の上で凝結してできる水滴です。 昼夜で気温が大きく下がる時に発生しやすく、風と雲がない晴れた夜は、放射冷却という現象により、地表温度がどんどん下がり、明け方には一層冷え込むので、露を結ぶことが多くなります。 放射冷却とは、昼間に太陽熱によって蓄えられた地上の熱が、遮る雲がないと宇宙へと放射されて上空に逃げ出すため、地表が冷やされて温度が大きく下がる現象です。 「露が降りると晴れ」という天気の諺があり、朝露はその日の晴天を伝えてくれると言います。 夜の間に雲一つなかった空は高気圧に覆われいて、安定した気圧配置になっていることが多いので、昼になってもその天気は変わらずに晴れのままということが多いからです。 露は、『万葉集』以来の和歌、あるいは俳句に数多く詠まれてきましたが、日が昇ると共に消えゆく運命にあり、例えば「朝露の命」というように、夢やまぼろしに通ずる形で、人の世のはかなさの喩えとされてきました。 同時に形と美しさから「珠」「玉」に見立てる表現も早くからあり、他方、「菊の露」というように不老長寿と結びついた表現もあり、実は、はかなさだけの象徴ということではないようです。 秋の七草と言えば、『万葉集』にて山上憶良が詠んだ歌が源流にありますが、観賞を目的として選ばれた秋草7種を指しており、萩(はぎ)、尾花(おばな=すすき)、葛(くず)、撫子(なでしこ)、女郎花(おみなえし)、藤袴(ふじばかま)、桔梗(ききょう)であるとされております。 俳句の世界では、「露」自体が秋の季語になっており、夏から秋へと本格的な季節の変わり目を表象していますが、松尾芭蕉には「白露も こぼさぬ萩の うねりかな」という句があります。 白露をあふれるようにつけた萩の花が、そよ風が吹く中、大きくうねっているものの、上手に露の玉をこぼさず乗せたままに揺らめいている様を表現しており、露の存在感と萩との組合せで表された趣ある情景が絶妙です。 秋は、五行陰陽説に基づいて、暦の上では白の季節とされます。青春・朱夏・白秋・玄冬ということで、春は青、夏は赤、冬は黒、また土用が黄色とされます。 仏教寺院で見かける、いわゆる「五色幕」の色とも結びついており、また、北原白秋の名前も、この五行説に由来するそうです。 白は全ての色を載せる素となる色であることから色なき色と考えられ、秋は「色なき季節」とも言われます。 秋は全ての色を載せることの出来る白(素色)の季節であることから、一つの色に染まる季節ではなく、自然の風景や農作物が赤・青・黄などと沢山の色に彩られた季節、「彩りの季節」でもあります。 少し肌寒く感じる朝、早起きをして外を散歩して、身近の草の葉などを観察すれば、きっと、きらきらと朝陽の中で美しく輝く白い露に出会えます。 宝石のような一瞬のきらめきの中に深まりゆく秋を感じつつ、心地よい晴天の日を清々しい気持ちでスタートし、秋の七草の美しさに触れたり、実りの秋を取り入れて、彩りのある一日にしましょう。 地球に優しい環境対応印刷を推進する久栄社では、環境問題に取り組む必要性や、自然の尊さをお伝えしたいと考えております。このブログでは、四季折々の風情ある写真にのせて、古代中国で考案された季節の区分である七十二候をお届けする「七十二候だより」を連載しております。お忙しい日々の気分転換に、気象の動きや動植物の変化など、季節の移ろいを身近に感じていただけましたら幸いです。 \\\ ぜひこちらも合わせてご覧ください /// ▼運営会社久栄社のサイトはこちら ▼久栄社のFacebookはこちら ▼お問い合わせフォームはこちら
by 72microseasons
| 2019-09-08 08:01
| 白露(はくろ)
|
Comments(0)
|
ファン申請 |
||