玄鳥去(つばめ さる)
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地球に優しい環境対応印刷を推進する久栄社では、環境問題に取り組む必要性や、自然の尊さをお伝えしたいと考えております。このブログでは、四季折々の風情ある写真にのせて、古代中国で考案された季節の区分である七十二候をお届けする「七十二候だより」を連載しております。お忙しい日々の気分転換に、気象の動きや動植物の変化など、季節の移ろいを身近に感じていただけましたら幸いです。
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2019年 09月 18日
9月18日は、七十二候では45候、白露の末候、『玄鳥去(つばめ さる)』の始期です。 春先に日本にやってきた燕が子育てを終えて、秋が深まる中、越冬のために南へと旅立つ頃。 燕は、田畑の農作物は食べずに害虫だけを食べてくれるため、昔から益鳥として親しまれて大切にされてきました。 燕が軒下に巣を作った家は繁栄すると言われており、商家では商売繁盛の印として巣立った後の巣も残しておくことが多いそうです。 また、古来から燕は季節の移ろいを知らせる鳥の象徴の一つであり、旧暦8月は「燕去月(つばめさりづき)」とも呼ばれておりました。 七十二候では、4月初め、清明の初候、春の到来を告げる『玄鳥至(つばめきたる)』と対を為しており、秋の深まりを象徴する時候です。 秋の彼岸入りは、今年も20日、「暑さ寒さも彼岸まで」といわれる通り、本格的な秋の訪れが感じられる頃、燕たちは、旅立ちの時季が到来したことを自然と察知して、次々と暖かい南の地へと飛び立っていきます。 春に到来して子育てを始める燕ですが、やがて来る過酷な「渡り」の旅に備えて、巣立ちは早く、幼鳥の時から集団生活で鍛えられます。 燕は、実は日本にいる間に子育てを2回するようでして、特に最初のヒナたちは生後わずか20日程度で巣立つ宿命にあります。 巣立ったヒナたちは、身を隠すことのできる芦原や樹木などで集団生活を始め、旅立ちの日に向けて生きるための鍛錬を積み重ねて、少しづつ成長していきます。 夏になると、2番目の子育てを終えた親鳥たちも、順次、集団に加わり、夕方には多くの燕が集結するようになり、夜には一斉に其々のねぐらに帰っていく風景が見られます。 そして秋に向けて、集団はだんだんと大きくなり、数千羽から数万羽になることもあるようで、その中で子どもたちも仲間とともに逞しく育っていきます。 南の地への旅立ちは、小グループ単位で少しづつ進んでいきます。まずは親鳥たちが、厳しい試練を予感しながら、子どもたちを置いて先に旅立ちます。 子どもたちは、自らの成長を見極め、力の備わった者から順番に旅立っていきます。子どもたちは、子どもたちだけで後から集団をつくり、先陣を追いかけて懸命に飛んでいきます。 集団生活で成長した若い燕も含めて、燕たちは、他の渡り鳥以上に、飛翔力に優れており、飛行速度もかなり速く、また、長い尾や翼を巧みに操って、急旋回・急降下なども意のままに、飛び続けます。 そして、2~3千キロメートルの旅の後、台湾・フィリピン・マレー半島・ボルネオ島北部・ジャワ島など主に東南アジアの島や国に到着して越冬しますが、そこではエサとなる豊富な昆虫が待っています。 日本では燕たちとは半年余りのお別れとなりますが、初めての過酷な旅へと精一杯に羽ばたいていく若い燕たちが、嵐や天敵などの危険を乗り越えて、無事に南の地に辿りついて暖かい生活を楽しめるよう、また、来年の春先には元気で日本に戻ってきてくれるよう、今年も祈りたいと思います。 加藤楸邨の俳句、「燕はや かへりて 山河 音もなし」は、シンプルな形で、燕がいなくなってしまった後に人が感じている心寂しさを詠んでいるようです。 『秋が深まる中で、身近にいた燕はとっくに南の方へ帰っていってしまった。山も川も今は音もなくひっそりとしている。』ということで、寂寥感が少し伝わってきます。 渡り鳥の世界では、燕に代表される夏鳥が日本を去っていく一方で、やがて、雁や鴨、白鳥や鶴などの冬鳥が日本へと次々と飛来してきます。冬鳥には凛とした躍動感を感じます。 季節の移り変わりの中で、様々な渡り鳥が行き交う日本列島。その環境を守りながら、渡り鳥に纏わる日本人の文化や情感も大切にしていきたいものです。 地球に優しい環境対応印刷を推進する久栄社では、環境問題に取り組む必要性や、自然の尊さをお伝えしたいと考えております。このブログでは、四季折々の風情ある写真にのせて、古代中国で考案された季節の区分である七十二候をお届けする「七十二候だより」を連載しております。お忙しい日々の気分転換に、気象の動きや動植物の変化など、季節の移ろいを身近に感じていただけましたら幸いです。 \\\ ぜひこちらも合わせてご覧ください /// ▼運営会社久栄社のサイトはこちら ▼久栄社のFacebookはこちら ▼お問い合わせフォームはこちら
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| 2019-09-18 08:01
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