水始涸(みず はじめてかるる)
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地球に優しい環境対応印刷を推進する久栄社では、環境問題に取り組む必要性や、自然の尊さをお伝えしたいと考えております。このブログでは、四季折々の風情ある写真にのせて、古代中国で考案された季節の区分である七十二候をお届けする「七十二候だより」を連載しております。お忙しい日々の気分転換に、気象の動きや動植物の変化など、季節の移ろいを身近に感じていただけましたら幸いです。
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2021年 10月 03日
10月3日は、七十二候では48候、秋分の末候、『水始涸(みず はじめてかるる)』の始期です。 収穫時期を迎えた田んぼの水を落して、稲刈りに備える頃。 または、秋分の節気も深まり、自然の水源も涸れ始める頃とも言われます。 七十二候では、一年を通して、季節の移ろいとともに姿を転変とする「水」がテーマとなっております。 春の季節は、雨水の節気の頃から、辺りに潤いが戻ってきて、湿潤の夏を迎えるに至りますが、秋は、この秋分の頃から、徐々にまた冬の乾いた世界へと向かい始めます。 、秋分のテーマでは、初候の「雷」は、稲妻の光と音と一緒に、大量の雨を天から降らせていましたが、春に始まって、この秋におさまっていきます。 次候の「虫」も、雨水以来、草木が芽生えると共に動きを活発にして、夏を謳歌してましたが、辺りに潤いがなくなる中、その姿を消し始めます。 そして、この末候に至り、田んぼの水も抜かれ、あるいは水源も細り始めるという、身近な風景を取り上げ、「湿潤」の季節から「乾燥」の季節へと転じ始めていることを表象しています。 「涸」という幹事は、水が干上がる・枯れる・尽きてなくなることを意味しております。 七十二候の解釈としては、稲穂が実りの時を迎えて、畦の水口を切り、田から水を抜いて乾かして、稲穂の刈入れを始める準備をする時季とするのが一般的です。 一方、七十二候が考案された古代中国では、『淮南子』という前漢時代の古典の中に、「水始涸」の由来となった文章がしっかりと残っており、夏の陽気が衰退していく中で、水も涸れ始めるという秋分の頃の情景を表していることから、井戸水などの水源が涸れ始める頃という説もあります。 日本では農事と結びついた解釈が定着しています。この時季、農家は忙しいですが、収穫の秋・実りの秋の象徴とされる景色が広がって、見ている人々の心を豊かにしてくれます。 陽の光に黄金に色づいた稲穂が輝き、また、秋風に頭を垂れた稲穂が揺れなびく美しい光景は、素朴ながら、まさに日本の秋の原風景です。 稲作は、種籾の選別・乾燥から始まり、育苗・田起こし・代かきを経て、田植えとなり、その後は、水の管理や草取りや肥料散布を繰り返し、台風への備えなどを経て、漸く、稲刈りの時期を迎え、刈取り後は天日干し、脱穀と、いろいろと労力と時間がかかります。 米という漢字は、八十八という字の組合せでできており、昔から米作りには八十八の手間がかかると言われております。 今年も、7月から9月にかけて、晴天と雨天の変化が極端であったり、急に暑くなったり涼しくなったりの天候となり、また台風や豪雨が猛威を振るって各地で風水害が起こり、気候変動の影響もあるためか、苦労や心配が尽きない感じですが、秋の稲刈りは、米作りに携わる人々にとっては、漸く一年間の労苦が報われる瞬間です。 田んぼ一面黄金色に実った稲穂が風に揺れるさまは、海の波に喩えられ、「穂波」「稲の波」「稲穂波」などと呼ばれ、季語にもなっております。 秋風が心地よく吹き抜けて稲穂がさわさわとそよぐ情景が広がり、日本列島の全国各地の田んぼは南から順番に収穫の時期を迎えて、おいしい新米が徐々に出回っていきます。 いわゆる「新米前線」は、だんだんと北上し、7月の沖縄・8月の九州から、9月から10月には関東・北陸・上越から東北・北海道へと移っていきます。 全国各地では、昔ながらに、神様に「初穂(新しく刈り取った稲の束)」を捧げ、収穫の感謝を祈念する行事や秋祭りが行われる時季を迎えます。 宮中及び伊勢神宮では、祭祀として神嘗祭(かんなめさい)が行われますが、伊勢神宮では、それに際して初穂曳(はつほびき)が催されます。 五穀豊穣を感謝する秋祭りは、京都・北野天満宮の「ずいき祭」を先陣として広がり、東日本では、田の神を祀る行事である「十日夜(とおかんや)」が行われます。 日本では、「米一粒 汗一粒」「粒々辛苦」や「一粒の米にも万人の労」とも言われるように、お米の一粒一粒は多くの苦労を経てつくられており、お米は農家の人の汗の結晶であるとして、昔からお米を大切にして粗末にしてはならないという教えが代々受け継がれてきました。 昨年は、人類が世界的に厳しい状況におかれている中で、アジアの人々や日本人が欧米に比して、総体として健康を維持できているのは、米食による免疫力向上の効果が背景にあるという研究結果が、統計分析を踏まえて発表されていることを紹介しました。 その後、昨年12月には、食育健康サミット2020がオンラインで開催され、米を主食とした日本型食生活を通じた「感染症に負けない体づくり」について、免疫学、栄養学、時間栄養学の専門家が、科学的根拠(エビデンス)に基づいて、わかりやすく解説する動きもありました。 今年も、外食機会の減少などにより、米への需要の減少が続いているという話もありますが、例年同様、これから収穫が順調に進んでいくことを祈りながら、天と地と人に対する感謝の気持ちを大切にして、バランスの良い食事で健康を保つことも意識しながら、是非、お米を美味しくいただきたきましょう。 2021年も、残すところ約3ヵ月、世の中には、状況の改善や新たな変化の動きも出てきております。 現状の踏襲や従来からの延長線上だけでなく、本質を見極めながら、新たな発想をもって、局面に応じた活動や将来への布石に取り組んでいきたいものです。 地球に優しい環境対応印刷を推進する久栄社では、環境問題に取り組む必要性や、自然の尊さをお伝えしたいと考えております。このブログでは、四季折々の風情ある写真にのせて、古代中国で考案された季節の区分である七十二候をお届けする「七十二候だより」を連載しております。お忙しい日々の気分転換に、気象の動きや動植物の変化など、季節の移ろいを身近に感じていただけましたら幸いです。 \\\ ぜひこちらも合わせてご覧ください /// ▼運営会社久栄社のサイトはこちら ▼久栄社のFacebookはこちら ▼お問い合わせフォームはこちら
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| 2021-10-03 08:01
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