鴻雁来(こうがん きたる)
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地球に優しい環境対応印刷を推進する久栄社では、環境問題に取り組む必要性や、自然の尊さをお伝えしたいと考えております。このブログでは、四季折々の風情ある写真にのせて、古代中国で考案された季節の区分である七十二候をお届けする「七十二候だより」を連載しております。お忙しい日々の気分転換に、気象の動きや動植物の変化など、季節の移ろいを身近に感じていただけましたら幸いです。
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2021年 10月 08日
10月8日は、二十四節気では『寒露(かんろ)』、夜が長くなって、冷たい露が草木に降りる時季。 晩秋に入り、朝晩はひんやりと冷え込んで、空気が澄んできます。 日中は過ごしやすい秋晴れの日が多くなり、夜には月がきれいに輝きます。 七十二候では49候、寒露の初候、『鴻雁来(こうがん きたる)』の始期です。 雁たちが北方シベリアの大地から日本で冬を過ごすために渡って来る頃。 「鴻雁」とは中国語で雁(がん)のことを指す表現でして、「鴻」は大型の雁などの水鳥の総称とのことです。 仲秋では、45候・46候・47候をはじめ、春の候と秋の候の間で、同一テーマを取り扱って、季節のコントラストが効いている旨、解説をしましたが、晩秋最初のこの49候は、4月10日の清明の次候(14候)、『鴻雁北(こうがん かえる)』と春秋で一対の関係があり、春を迎えて北方へ帰っていた雁たちが、シベリアや北極圏に迫る地で巣作りと子育ての時期を終えて、今年生まれた若鳥と共に、再び日本に飛来します。 寒露の節気では、初候の「雁」の後、次候は「菊」となっていて、秋が深まる中、「花鳥風月」の鳥と花が相次いで登場しますが、雁は、晩秋を表象する「鳥」として、人々に季節の移ろいを感じさせる存在のようです。 そして、末候は『蟋蟀在戸(きりぎりす とにあり)』、目に見えず、音のみを想起させる描写の情景を通して、忍び寄る冬が初めて意識される頃になります。 この候は、また、秋の候の中で、9月中旬の白露の末候(45候)、『玄鳥去(つばめ さる)』を経て、暫くしてからのタイミングで、とても対照的な印象を与えています。 玄(つばめ)は、春の到来と共に日本に飛来して、夏にかけて巣作りや子育てに勤しんで、仲秋には南方への渡りの旅に出る「夏鳥」であり、雁は、玄と入れ違いに日本にやっって来て冬を過ごす「冬鳥」です。「夏鳥」の去った後の寂しさを埋めるがごとく、戻ってくるような感じを受けます。 冬鳥としては他に、白鳥、鶴(つる)、鴨(かも)、鶫(つぐみ)などが挙げられます。 雁は、「がん」とも「かり」とも読まれ、「鴈」という漢字が使われることもあります。 そして、毎年、最初に訪れる雁たちのことを「初雁(はつかり)」、その鳴き声を「初雁が音(初雁金)」といいます。 日本人は、古来、雁の行き来に趣や季節の移り変わりを感じとり、多くの詩歌に詠みこんできました。 俳句では、「雁」「雁渡る」は秋の季語であり、「雁帰る」は春の季語です。 また、ちょうど雁が渡ってくる頃に吹く北風のことを「雁渡し(かりわたし)」と呼びまして、秋の季語になっています。 この風が吹き出しますと、秋も深まり、空や海の青色が冴えてくるので「青北風(あおきた)」とも呼ぶようです。 雁は、古くから、詩歌以外の日本文学にも広く登場して、親しまれてきております。代表的なのは、清少納言の『枕草子』の冒頭の部分です。 「秋は、夕暮。夕日のさして、山の端いと近うなりたるに、烏の寝どころへ行くとて、三つ四つ、二つ三つなど、飛び急ぐさへあはれなり。 まいて雁などの連ねたるがいと小さく見ゆるは、いとをかし。日入り果てて、風の音、虫の音など、はたいふべきにあらず」 雁の姿は、昔から、秋の夕暮れ時の風物詩であり、とても趣があるもの、優美であるものとして、深い共感を得てきたことがわかります。 今では雁はなかなか身近に見れませんが、深まりゆく秋の時空の中で、趣や風情を感じる光景、心惹かれる風景を探してみたいものです。 雁の仲間は隊列を組んでV字型になり、あるいは一直線になり、長距離を飛来してくることで有名です。 雁の隊列は「雁の棹」「雁の列」と呼ばれ、夜間に渡ることが多いことから「月に雁」は書画の題材にされます。 雁の繁殖地は北極圏も近い地域のようで、日本の東北地方までの飛行距離は実に4000キロメートル、V字型の隊列は、そのような長距離を飛来してくる為に必要な知恵と工夫と言われております。 V字編隊で飛ぶことで、翼の動きで生まれた上昇気流が斜め後ろに飛ぶ鳥に伝わり、少ないエネルギーで飛ぶことができます。 先頭以外の雁たちは気流の流れを利用して飛びやすいわけですが、先頭の雁は体力ある者が担うものの消耗度合いが大きいので、雁たちは、先頭を時折交代することで、隊列全体として遥かな長い距離を乗り越えて日本に飛来してくるのです。 私たちも、雁たちの必死に力を振り絞って渡って来る見事な連帯感と支え合う雄姿にも学びながら、人として、改めて社会やチームにおける連帯を確かめ、力を合わせて仕事をして、また絆を大切にして暮らしていきたいものです。 人類は、気候変動問題など地球規模の試練に直面していることを適切に認識する必要があり、事態改善に向けた行動を具体的に実践することが課題になっております。 地域社会や各種コミュニティでの取組みと共に、世界の人々との連携した対応も大切になってきており、自分たちに出来ることを確実に広げていきたいものです。 地球に優しい環境対応印刷を推進する久栄社では、環境問題に取り組む必要性や、自然の尊さをお伝えしたいと考えております。このブログでは、四季折々の風情ある写真にのせて、古代中国で考案された季節の区分である七十二候をお届けする「七十二候だより」を連載しております。お忙しい日々の気分転換に、気象の動きや動植物の変化など、季節の移ろいを身近に感じていただけましたら幸いです。 \\\ ぜひこちらも合わせてご覧ください /// ▼運営会社久栄社のサイトはこちら ▼久栄社のFacebookはこちら ▼お問い合わせフォームはこちら
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| 2021-10-08 08:01
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